白雪糕その4 塩釜

銘菓であり、郷土菓子でもある「塩釜」。
塩釜神社の威光もあり、かの地で特別優れた塩釜がつくられ
その名を知られることとなったと想像してみるが、
白雪糕的な見方をすると、
「白雪糕」と漢字表記される韓国の「ペクソルギ」が
砂糖を入れずとも、塩は必ず入れることに注目したい。

もともと砂糖は薬として珍重されていたわけで、
白雪糕は砂糖が入っているだけでも「薬白雪糕」とも言えたかも?
と思うが、『和漢三才図会』でも言及されるように、砂糖のほか、
「山薬」「蓮肉」「芡実」などの漢方薬が入れられた。

砂糖が手に入らなくても、塩さえあれば、白雪糕ができたことは
大きいと思われる。といっても、塩味がするのではなく、
米の風味を生かすほどの塩の量である。
塩は湿気も呼ぶので、保湿の点でもよかったかもしれない。

越後にも「塩釜」はいまだ各地に残る。
上品の「庭砂糕」をつくる三条の松坂屋さんにも「しおがま」がある。

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