白雪糕その2 米屋の白雪糕

江戸の白雪糕で、よく名前が出るのが「米屋」。
「米屋」の名で菓子屋、薬屋など何軒も目にするので、
白雪糕といえば、「米屋」というような、今でいうブランド的な
屋号だったのだろうか?

白雪糕の基本は米と砂糖(もともとは薬)または塩だけで、
粉にして合わせるという製法は、薬研を日常的に使う薬屋では、
扱いやすい商品だったのではないだろうか。

『江戸買物独案内』の四谷傳馬町一丁目の米屋八兵衛の
口上には、子供に「ちちのかはりに用いて同様なり」や、
「食事同様にたべさせ」るとよいとされ、「飲む」「食べる」もので
あるように見受けられる。

大陸から伝わった最初は、蒸し菓子だったと思われる白雪糕だが、
薬屋でも扱われたことで「薬白雪糕」としても、大きなシェアをもって
いったたようだ。薬屋での販売に限れば、蒸す工程を省略して、
粉の状態で売るようになるのは、自然の成り行きだったのではないか?

また、買ってきた者は、枠に入れて蒸すことも可能だが、
お湯で溶いて飲むほうが簡単だったとも想像する。

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