天神さまのお菓子*その3 天神菓子の分布

新潟県には、「天神さま菓子」を伴う、家庭で天神さまを祀る地域がある。
長岡市北部から新潟市南部までの地域の中で、濃淡はあるが、
2月24日(旧1月24日の月遅れ本来は1月の行事)の夜を宵宮として行っている。
一部を除き、社寺とは無縁の、家庭の行事である。

地域のお菓子屋さんは、一年中で一番というほどの売り上げ
だそうで、特に新津、燕、三条、分水、見附といった町が、
盛んなようだ。

さらに特徴的なことは、天神さまの時にかぎって、金花糖が多く
つくられ、買い求められるということ。「天神講の金花糖」へ。
『分水町史』『新津市史』など各市町村史にも記述あります。


現在、国内で金花糖がのこる地域は、平戸を中心に長崎県、
佐賀県、福岡県、旧加賀藩領の石川、富山の一部、そして新潟である。
県内では、村上(年間を通して販売)を除いて、金花糖の製造は
天神さまの時期に、天神菓子の盛んな地域だけに限られている。


村上では、天神さまでなく、お雛さまのほうに重点が置かれていることに一因があるかもしれない。そして、山形県の庄内地方と親しい菓子文化圏といえそうだ。
庄内では、新潟特有の「粉菓子」の呼び名が使われるという。
さらに言えば、山形県の庄内、最上川流域でお雛さまに供える
雛菓子一式は、新潟内での天神菓子一式と、ひと連なりの
菓子文化とも言えそうだ。

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