越後の天神信仰1 国上寺の天神

越後一之宮の弥彦神社には、不思議な特殊神事が多い。
日月星を祀るお供えや、夜宴の神事のトリのとまる島台など、
廃絶されてしまったものも含め、興味深く思われる。

そして、神仏習合の時代には一体であったといわれる、
国上寺(良寛様の五合庵で有名なお寺。本尊は阿弥陀如来。
源義経作の大黒天像があり、上杉謙信の祈祷所でもある)に残る
古地図には、麻多羅天神、七所権現などの文字がみえ、
こうした信仰や、それに付随する行事(院宣祭りなど)が
明治くらいまで、名残をとどめていた。

一昨年の国上寺での御開帳に、なんとか訪ねることができた。
御堂自体も、多くの秘仏も、越後の古くからに信仰を知るうえで、
その場に行ってみて、いろいろ考えさせられることばかりであった。
聖徳太子とされる木製彩色天神像と、黒い木製天神の
2体も仏像と並んで安置されていた。
彩色天神のほうのお顔はなんともいえない表情をされており、
印象に残った。

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