四温糖、五温糖

長岡私立図書館文書資料室で閲覧できる、
紅屋重正の明治18年の「下帳」や、「菓子種物製造帳」には、
三温糖だけでなく、四温糖、五温糖の記述もある。
砂糖精製の過程で、蜜分の含有量の違う砂糖が
製品として出まわっていたのだろうか?
それぞれ、どの程度の精製糖だったのだろうか?

饅頭餡に、白砂糖から五温糖、黒砂糖まで、
砂糖のランクを替えてつくったり、ブレンドしたりしている。
例えば、白雪糕に四温糖を使ったり。おいしいかもしれない。

「辻占」も何度か記載があり、四温糖を使っている。
辻占菓子がどのようなかたちか、わからないのが残念。
葛粉とあるので、辻占種(紙片か?)を入れた
打ちもの(葛打ち・葛湯)なのかもしれない。


瓦漏(とうろ)などの手作業の白砂糖つくりの過程では
そうした様々な砂糖や、糖蜜(液状から半固形?)も
できたのではないか?

狂言の「附子(ぶす)」に出てくる、「どんみりした」ものを
砂糖というが、「白砂糖」ではななさそうだ。
私は、小学校の観賞会でこの狂言を見て以来、
長い間、「どんみりした」ものは、飴だとばかり思っていた。
しぐさも、甕の飴をなめるように見えたからだと思う。

「白砂糖」のはずはないと思うが、今思えば、製糖の際に
できる「糖蜜」などの可能性もあるかもしれない。
イギリスなどでいう、ゴールデン・シロップだ。

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