「鮭の壱のヒレ」の菓子木型

「尺二鯛」(体調40cm程)と「鮭の壱のヒレ」の菓子木型。
新潟県では大晦日の年取り魚は鮭。
そして、歳神さまのお供えは、鮭の「壱のヒレ」(生)。
「壱のヒレ」とは「胸ビレがついた切り身」をさす。

柏崎市米山では、写真の鯛と鮭、2種の木型で抜いた粉菓子を、
祝い菓子として詰め合わせ、「何箱」というように注文を受けたそうだ。

五つ盛、七つ盛などの引き菓子の場合は、海老や蛤などを加えたという。
鮭の切り身の木型の種類は多く、サイズもいろいろ。輪切りの切り身もある。
それにしても、こんなに大きい「鮭の壱のヒレ」の木型には初めて出会った。
村上の「鮭の切身落雁」(写真下2点)も五つ盛などに組み合わせて
使われたと思われるが、上の「鮭の壱のヒレ」はその3、4倍ほどの大きさ。

天神さまを正月に祀る柏崎の家庭では生の「鮭の壱のヒレ」を供える。
私の長岡の実家でも歳神さまに生の「鮭の壱のヒレ」を供えていたので、
柏崎では天神さまが歳神さまなのだなぁと実感できる。
柏崎の旧家の天神さまに供えられた生の「鮭の壱のヒレ」。このお宅は尾頭付き。
ただ、正月以外にも「鮭の壱のヒレ」が使われ、
それも粉菓子や煉切でつくられたことに驚いてしまったー。
海の町ならではの、菓子文化だろうか。
是非一度粉菓子で抜いていただけたらと思っている。

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