餅を咥えた、しんこの犬「村重」

米の粉を湯でこねて蒸す、または、湯でゆでた生地を、「しんこ」と呼ぶ。
この生地をさらによくこねるか、搗く(といっても、うるち米だから、杵を
振り上げないで搗くほう)と、食べる時においしさが違ってくるよう。
こねたり、搗いたりした生地を水に入れて冷やし、また蒸すなどすれば、
比較的軟らかさも保てるなめらかな生地になるようだ。やり方いろいろあり。
下の絵はしんこの犬。餅を咥えている犬の名は、「村重」。
荒木村重は、あの織田信長がつきつけた、刀の先に刺した餅を
口で受けたという話が伝わる武将。その場面を描いた錦絵もある。

『福をよぶ お守り菓子』の表紙には、「飴の鳥としんこの犬」という
組み合わせで使っていただいた。
飴細工といえば、吹き飴の鳥、しんこ細工といえば、犬の子。
ところが、「しんこの犬」は東日本、「しんこの馬」は西日本で、
それそれ、大切な節目につくられてきたようだ。
十日町の昔の「ちんころ」にあった、犬に人が乗るしんこ細工を
「馬のり」と呼んでいたのも、意味深い。


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