粉菓子のこと５ むつの花

左から出雲崎大黒屋「白雪糕」、弥彦誠月堂「玉兎」、

長岡山岡屋「むつの花」

雪輪の意匠を持つ「むつの花」は、越後にふさわしい菓子であるが、
一般名称として、雪をさすことばでもある。
この押しもの製「むつの花」は、江戸時代の製法書などにも見える。
長岡山岡屋さんの「むつの花」は、銘菓「越の雪」のように口どけがよい。
雪が溶けるような感覚を、雪国越後の米で表した上質の押しものの名品が、雪国の湿度の中で多くつくられたようだ。三条の「庭砂糕」も極上である。