越後の天神信仰6 天神さまを祀る日

家庭で天神さまを祀る日にちについては、地域により違いがある。
中越地域から新津周辺は主に、2月25日(24日が宵宮)。
出雲崎では1月25日。
柏崎地域では、旧家などでは12月25日以降正月までに飾り、鏡餅を供える。
正月、小正月を天神さまと過ごし、しまうのは1月25日。
子供たちが主になる天神講などは1月25日や、2月25日のようだ。
ただ、2月25日に祀る中越地域から新津周辺でも、実は月遅れで行っているようで、
旧暦の1月25日の行事といえる。

つまり、新潟県では、新暦になってからは、1月の地域と2月の地域があるが、
家庭で天神さまを祀る日は、もともと正月と1月25日を中心に行われていたといえそうだ。

子どもが集まっての天神講は、これとまた別の行事であるため、
今のところ分けて考えている。

福井・石川・富山の天神さまの行事については、
南砺市在住の西村忠さんのご著書『北陸の天神様かざり』に
詳しくまとめられている。
この本では、新潟県は上越地区の例だけだが報告されている。

北陸一円は、大雑把に言って、正月(12月25日や28日に飾る)、
1月25日や、月遅れの2月25日に行われているようだ。
菅原道真の命日は2月25日であるが、その命日であるよりは、
年の変わり目、季節の変わり目として、祀りを行ったのではないか?
天の神(年神・年徳神)を、家庭でのもっとも大切な行事として
行われたようにも感じている。

また、天神が盛んな地域は天満宮や菅原神社など、
菅原道真を祀る社寺は、むしろ少ないといえるようだ。
そうした地域では、天神は家庭でお祀りする神様なのである。

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