ふきよせ その9 台湾の「油棗」

「ふきよせ」は韓菓の「油菓」に似ていると思うことを、
『いとおかし』でも書いたが、これは、台湾にもある。
ということは中国大陸の米文化圏にもあると思われる。

台湾での名前は、いくつかあるのかもしれないが、
「油棗」というのがそのひとつ。
「古今名物菓子図式」に記述のある、「唐棗」に通じる名だ。

韓国にそっくりの菓子の写真も手元の資料にあるが、
日本の漢字では、打ちこめず・・・。
米ヘンに老、の文字がつかわれていることから、
やはり、種をねかせて、かるく浮かせているのだろと想像する。
日本では、この種を「かるやき種」「浮き種」とも呼ぶ。
長岡では、「ふきよせ種」とも。

春節の「春棗」というのも、類似の製法のようだ。
小麦粉製で揚げるとなると、むしろかりんとうの方に近い。

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